- XMのロスカット水準
- XMの証拠金維持率の計算方法
- XMで強制ロスカットされない方法
こんにちは、ロボックス師匠です。
今回はXM(XMtrading)のロスカットラインと証拠金維持率について解説していきます。
ロスカットは、顧客の資金を守るためにFX業者が行う最後の砦です。
XMでは「高いレバレッジ」「証拠金維持率20%」というロスカットされにくい環境が提示されています。
ロスカット水準が低い=勝てるチャンスが多い
ロスカットされにくいということは、瞬間的にレートが下がったときも持ちこたえられるため勝てる確率も上がります。
このページでは、 XMのロスカットルールの解説から、他の競合海外FXとの比較や、XMでのロスカットのケーススタディを通して、XMのロスカットを完全解説します。
FX取引のロスカットルールと証拠金維持率とは
まずは、そもそもロスカットとは何なのか、また証拠金とは何なのか、順を追ってご説明します。
ロスカット以外にも、よく似た言葉がいくつかありますね。
- ロスカット
- 強制決済
- 損切り
- ストップロス
これらはすべてロスカットの類似語と言われていますが、すべて同じ意味のような気もしますが実は厳密には違いがあります。
ロスカットとは
「証拠金維持率が決められた基準以下に割り込んだ場合に、強制的にポジションが決済されること」をロスカットといいます。
「強制ロスカット」という言葉を度々目にすることがありますが、本来ロスカットとはFX業者側で強制的に行われるものであり、「ロスカット」と「強制ロスカット」は同じ意味です。
またロスカットと同じ意味でよく使われる「損切り」や「ストップロス」という言葉。これは「自分の判断で損失を確定させること」です。
メタトレーダーで損切りの設定をすると、「sl」という赤い点線ラインが表示されますが、「stop loss」の略であり、損切りラインを意味します。
証拠金維持率とは
続いて証拠金維持率について解説します。
そもそも証拠金とは口座に入金する投資資金のことです。FXでは証拠金を担保として預け、レバレッジを効かせてトレードします。
したがって、 実際に取引している金額すべてを現金で用意する必要がありません。少量で取引するなら、例えば数千円の証拠金でもトレードが可能です。
『ポジションを持つために必要な証拠金』を必要証拠金といいます。
取引サイズ÷レバレッジ×口座の通貨換算レート=必要証拠金
ロスカットを計算する際に、重要な考え方です。上記の計算式から求めることができます。
例えば、以下の条件で必要証拠金を計算しましょう。
- XMの日本円のスタンダード口座
- 口座レバレッジは1000倍
- 1ドル100円
- 0.01ロット(1000通貨)のポジション
上記の条件だと、必要証拠金の計算は以下のとおりです。
1000÷1000×100=100
以上のように計算することができ、今回の場合は100円が必要証拠金となります。
ちなみに上記の計算をせずとも証拠金の計算は、XMの公式サイトに「証拠金計算機」というページが用意されていて、簡単に計算することができます。
その時々での、取引に使える証拠金がどれくらいあるか、ということを示します。
証拠金+含み損益=有効証拠金
上記の計算式から求められます。
例えば、50,000円の証拠金があり、取引中のポジションで1,000円の含み損が出ていたとします。
その時の計算式は以下のとおりです。
50,000+(-1,000)=49,000
上記の計算式となり、 49,000円が有効証拠金となります。
最初に、「その時々での」と書きましたが、理由は含み損益は刻々と変化するためです。
したがって、有効証拠金は流動的なものとなります。
有効証拠金から、現在取引中の必要証拠金を引いたものが、余剰証拠金です。
現在ポジションを持っていて、新たに別のポジションを持つ場合に、現在のポジションでかかっている証拠金を差し引いて、どれくらいの余剰があるかを確認するために見ます。
現在持っているポジションが、有効証拠金に対してどれくらいの割合かを見るためのものです。
証拠金維持率の考え方は、ロスカットを考える上で最も重要になります。
以下の計算式から求められます。
有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)
この割合がある一定以下になるとロスカットになります。
ここまで証拠金についてのおさらいをしてきました。
計算式もご紹介しましたが、メタトレーダーのターミナルを開くと、取引タブの中で、レバレッジを含めてすべて計算済みのものが表示されます。
しかし、証拠金維持については、ある程度以上の割合を保つようにしないとロスカットになってしまうため、注意が必要です。
XMで強制ロスカットになるケース
XMでは、証拠金維持率の割合が20%以下になると強制ロスカットになります。
現在持っているポジションの含み損が、証拠金を下回ってしまわないための最後の砦です。しかし、すぐにロスカットになるわけではなく、ロスカットになるまでに証拠金維持率の割合によって段階があります。
証拠金維持率が100%を下回る
この段階ではまだロスカットにはなりませんし、XMからの通知もありません。
しかし、証拠金維持率が100%を下回るということは余剰証拠金がマイナスになってくるような段階であり危険です。
基本的には、証拠金維持率が100%を下回らないように、対策を取っていった方が良いでしょう。
証拠金維持率50%でマージンコール
続いては証拠金維持率が50%を下回った段階です。XMからそろそろロスカットの水準に到達しそうであることの通知が来ます。
メタトレーダーのターミナルでは、取引画面の残高を示す部分が赤色に変わって警告を告げます。マージンコールはメール等で通知されるので、急激な変動でなければ見逃す心配はないでしょう。
証拠金維持率20%でロスカット
証拠金維持率が20%を下回った段階で、その口座のポジションが強制的に決済、いわゆる強制ロスカットが執行されます。
XMでは、20%を下回った瞬間に全てのポジションが強制決済になるわけではなく、含み損の大きいポジションから順番に決済されます。
つまりロスカット水準をクリアした後もポジションが残った場合、残ったポジションはそのまま取引が続行されるのです。
XMのロスカットは低めに設定されている
XMでは、証拠金維持率が20%を下回った段階でロスカットとなります。証拠金維持率20%という割合は他業者と比較すると小さい方だと言えます。
ロスカットの水準が低めであることの、メリットとデメリットは何でしょうか?
ロスカット水準が低いメリット
ロスカットの水準が低い最大のメリットは、ある程度の逆行であれば耐えられるということです。
例えば、ロングポジションを持った後に、少しレートが下がってから思惑通りに上昇した、という経験は誰もがあるのではないでしょうか。
ロスカットの水準が高ければ、少しレートが下がっている段階でロスカットされて、次の上昇に乗れないということが起こる可能性があります。
例えば、ロスカット水準が100%
ロスカット水準が低いデメリット
デメリットは何と言っても、もしもロスカットになった時に損失が大きくなるということです。
ロスカットは基本的に、証拠金が少ないとなりやすい、というものではありません。
証拠金に対するポジションサイズが大きい場合にロスカットになりやすい、と考えるべきです。
そうなると、ロスカットになる場合はある程度多めの枚数で取引している場合が多く、必然的に証拠金に対して損失が大きくなりやすいと言えます。
XMでロスカットになったらどうなる?
ロスカットは、トレーダー側ではなく、FX業者側が顧客の資金を守るために行う強制的な損切りといえます。
したがって、ロスカットになったからといって、基本的には口座が凍結されるということはありません。
通常であれば、全ての証拠金が失われた状態ではないので、ロットを落とせば再び証拠金の範囲での取引は可能になります。
また、新たに入金した場合でも、ロスカットになる前と同じように、証拠金の範囲内での取引が可能です。
証拠金以上の損失が出ることはありえる?
暴落や暴騰で、レートが急な動きを見せることが稀にあります。その場合はロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになることがあります。
他業者であれば、マイナス分は顧客が支払わなければいけないところがありますが、XMではその必要はありません。
XMには、いわゆるゼロカットシステムである「マイナス残高リセット」という制度があり、マイナス分の残高は顧客ではなく、XMが補填します。
したがってXMでは、証拠金(入金額)以上の損失が出ることはありません。
XMでのロスカットの計算方法とケーススタディ
ロスカットの計算方法は、基本的には証拠金維持率から求めます。しかし、証拠金維持率の計算は、その時々で変化する有効証拠金や、必要証拠金を含むため、複雑なものになります。
どうなったらロスカットになるかを知りたい、と漠然と考えるよりも、状況を設定してロスカットを考えた方が近道です。
いくつか状況を見ながら、どうなったらロスカットになるのかを考えていきましょう。
- ドル円での取引
- 口座の通貨換算レートは1ドル=100円
- 証拠金は10万円
- 便宜上、有効証拠金は証拠金と同じ10万円
全てのケースで、上記の状況を共通事項とします。
今回は口座タイプ別に「0.1ロット」「1ロット」「3ロット」「10ロット」で取引した場合をそれぞれシミュレーションしていきます。
スタンダード口座でロスカットを計算
想定条件をもとに、1000倍のレバレッジを適用した場合でロスカットを計算してみましょう。
スタンダード口座で0.1ロット取引する場合
0.1ロットなので、1万通貨での取引になります。国内業者は、1ロット=1万通貨であることが多いのでご注意ください。
この場合の証拠金維持率は、10000%となります。この段階でロスカットの心配はほとんどないといえます。
スタンダード口座で1ロット取引する場合
1ロットのの証拠金維持率は、1000%となります。証拠金維持率は少なくとも500%以上を保つと安全圏と言われているので、おおむね安全圏と言えます。
この状態だと、およそ95pipsのマイナスでマージンコールがかかり、およそ98pipsのマイナスでロスカットとなります。
スタンダード口座で3ロット取引する場合
3ロットの証拠金維持率は、296%となります。かなりのハイレバレッジです。証拠金に対してロット数が大きい、と言えます。
この状態で、およそ83pipsのマイナスでマージンコールがかかり、およそ93pipsのマイナスでロスカットとなります。
スタンダード口座で10ロット取引する場合
10ロットのの証拠金維持率は、82%となります。
ポジションを持つ時点で証拠金維持率が100%を下回っており、ハイレバレッジを通り越して、そもそも約定できないロット数となります。
マイクロ口座でロスカットを計算
続いてスタンダード口座より10分の1の量を取引できるマイクロ口座でシミュレーションしてみましょう。
XMのマイクロ口座は、1ロット=1000通貨です。
マイクロ口座は、練習気分でFX取引ができるので利用する人も一定数存在します。
想定条件をもとに、1000倍のレバレッジを適用した場合でロスカットを計算してみます。
マイクロ口座で0.1ロット取引する場合
0.1ロットなので、100通貨での取引になります。マイクロ口座は非常に少額からトレードできるメリットがあります。
この場合の証拠金維持率は、10000000%となります。この段階でロスカットのリスクは無視できるレベルであるといえます。
マイクロ口座で1ロット取引する場合
1ロットなら、1000通貨での取引となります。100000%となります。この段階でもロスカットされる可能性はかなり低いでしょう。
マイクロ口座で3ロット取引する場合
3ロットなら3000通貨での取引です。証拠金維持率は29600%となります。この段階でもロスカットされる可能性は低いでしょう。
マイクロ口座で10ロット取引する場合
10ロットなら10,000通貨の取引量となります。証拠金維持率は10000%となります。
マイクロ口座であれば10万円入金すれば、10ロットでも十分な証拠金維持率で取引することが可能なのです。
ゼロ口座でロスカットを計算
XMのゼロ口座(Zero口座)は、スタンダード口座と同じ1ロット=10万通貨です。
スタンダード口座やマイクロ口座と比較すると特殊で、スキャルピングに特化した口座タイプです。
ゼロ口座で0.1ロット取引する場合
0.1ロットなので、1万通貨での取引になります。この場合の証拠金維持率は5000%となります。この段階でロスカットの心配はほとんどないといえます。
ゼロ口座で1ロット取引する場合
1ロットでの証拠金維持率は、500%となります。証拠金に対して、安全圏ギリギリのロット数です。
この状態で、およそ90pipsのマイナスでマージンコールがかかり、およそ96pipsのマイナスでロスカットとなります。
ゼロ口座で3ロット取引する場合
3ロットでの証拠金維持率は、166%となります。ハイレバレッジ過ぎるかもしれません。証拠金に対するロット数を見直した方が良いと言えます。
この状態でおよそ70pipsのマイナスでマージンコールがかかり、およそ88pipsのマイナスでロスカットとなります。
ゼロ口座で10ロット取引する場合
10ロットでの証拠金維持率は50%となり、マージンコールがすでにかかる段階です。
現実的ではありません。
レバレッジが高いほうがロスカットは避けれる
XMが人気の理由の一つとして、レバレッジの高さが挙げられます。
しかし「レバレッジが高いとロスカットになりやすい」という言葉を目にしたことがありませんか?この噂は本当に正しいのでしょうか?
ロスカットを計算する場合、証拠金維持率はとても重要です。証拠金維持率は、以下の式で求めることができます。
有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)
以上の式を見てわかるように、証拠金維持率を求める場合、まずは必要証拠金を求めないといけません。
さらに必要証拠金は、以下の式で求めることができます。
取引サイズ÷レバレッジ×口座の通貨換算レート=必要証拠金
必要証拠金を求める場合は、レバレッジも計算することになります。つまり、レバレッジが大きい方が必要証拠金は少なくなります。
さらに、証拠金維持率は必要証拠金の影響を受けるため、 レバレッジが高い方が、証拠金維持率も高くできます。
レバレッジが高い方がロスカットはされにくいということが、計算式からわかるのです。
強制ロスカットを避ける方法
ここまでロスカットについてご説明をしてきましたが、とても大切なことがあります。
その大切なこととは、「ロスカットはされるものではなく、避けるもの」ということです。
当たり前のことですが、基本的にはロスカットされてはいけません。
それでは、自分の資金を守るためには、どんなことをしたら良いのでしょうか?
証拠金に対するポジションサイズを考える
投資資金や証拠金は、無限にあるわけではありません。
おそらく多くのトレーダーが、生活費をやりくりしながら、投資のための余剰資金を捻出していることでしょう。
資金をリスクにさらして、一発逆転を狙うことが投資ではありません。
そうなると、投資資金に対してどれくらいの枚数のポジションを持つのかを考えることが、ロスカットされないための行動の第一歩となります。
一般的には「1回のトレードにかけられるリスクは、投資資金の2%まで」といわれています。
おおまかな具体例を挙げると、もし投資資金が10万円なら、1回のトレードでの負けは2000円程度にとどまるように、ロットを調整した方が良い、ということになります。
損切りをする
ポジションを持つと、どうしてもそのポジションが自分に利益をもたらしてくれることを夢見てしまいます。しかし現実では、レートが逆行して利益どころか含み損が出てしまう、ということが起こり得ます。
含み損の拡大を防いで資金を守るために、何がどうなったら損切りをするか、という計画を、ポジションを持つ前に立てておきましょう。
両建て
資金管理の考え方の部分をお伝えしてきましたが、「両建て」はXMならではのロスカット回避法です。
XMでは同じ枚数の両建てをした場合、それぞれのポジションの必要証拠金を相殺して0になる、というシステムがあります。
このシステムを利用すると、一時的にではありますが、ロスカットを防ぐことができます。
XMでのロスカットまとめ
XMは高いレバレッジに加え、ロスカットまでの証拠金維持率が20%と低く、ロスカットされにくい海外FXです。
また同じ枚数の両建てをすると必要証拠金が0になるという独自のシステムがあるため、やり方次第ではロスカットのリスクは、より一層小さくすることができます。
しかしロスカットは、顧客の資金を守るための最終手段です。ロスカットされにくいから、資金管理をしなくて良い、というわけでは決してありません。まずは、ロスカットをされないために、丁寧な資金管理を心がけることが大切です。