2015年以降、高金利通貨の代名詞はトルコリラと言っても過言ではありません。
「金利20%以上もある高いスワップが貰える通貨」
「下落しているからスワップを貰っても下落幅に見合わない」
トルコリラというと、FXをしている人なら殆どの人がこのような会話で終わってしまいます。
しかし本当にトルコリラは一方的に下落を続けているだけの通貨なのでしょうか。そして、トルコリラをトレードしている人、全員が損をしているのでしょうか。
このページでは、XMの口座を使い筆者がトルコリラを扱った経験を基に、トルコリラの取引条件や上手に取引する方法を考察していきます。
トルコリラ(TRY)とはそもそもどんな通貨なのか
まずはトルコリラがどんな通貨なのか、ということをまとめてみました。
トルコリラは不安定なマイナー通貨
日本で個人が為替売買を出来る様になった1998年頃です。そのころ日本はバブルが崩壊し、金余り・買い占め日本から、切り売り日本へと方向転換をせざるを得ず、しかし円高が進み成果が中々出ない大不況時代でした。
その頃、トルコもハイパーインフレーションに陥り、トルコリラは一挙に貨幣価値が地に落ちました。
2005年にはデノミネーションも行い通貨名も複数回変わるなど非常に不安定な通貨で、現在も不安定な状況が変わっていません。とくに2021年は36%もの物価高上昇に伴い、1ドル=7リラから1ドル=18リラと通貨の価値が半分以上下がりました。
そして現在は政策金利として国民の賃金5割上昇などと目標を掲げていますが、まだまだインフレが続くと予想されています。
「トルコリラは終わった」というのは本当なのか|今後の見通し
ここまで聞くとトルコリラで取引するメリットはないように思えますが、実際のところそうではありません。
冒頭でもお伝えしたように、トルコリラは長期的な下降トレンドとなっていますが、金利が高いためスワップポイント狙いでトルコリラを長期保有するトレーダーは非常に多いです。
XMでもトルコリラを取引するトレーダーは数多く注目を集めています。
トルコリラは初心者には非常に難しい
XMでトルコリラは注目を集めてはいますが、現実問題初心者にはかなり難しい銘柄です。
筆者が実際に証拠金30万円でトルコリラ取引を約半年続けた記録をこの記事の後半でご紹介していますが、最初は50万円以上利益を積み上げてたものが窓開けで強制ロスカットされ150万円の追証を抱えました。(追証は無事ゼロカットされています)
よって安易に手をだすのは危険ですので、初心者はメジャー通貨から取引するのが良いでしょう。
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XMTrading(エックスエム)のトルコリラの取引条件
XMのトルコリラの取引仕様をみていきましょう。
XMで扱っているのはUSDTRY・EURTRYのみ
XMで取り扱いがあるのはUSDTRY(米ドル・トルコリラ)とEURTRY(ユーロ・トルコリラ)です。
JPYTRY(日本円・トルコリラ)は取り扱いがありません。
XM トルコリラの取引時間
通貨ペア | 夏時間 | 冬時間 |
USD/TRY | 平日 6:05 – 翌6:04 | 平日 7:05 – 翌7:04 |
EUR/TRY | 平日 6:05 – 翌6:04 | 平日 7:05 – 翌7:04 |
XMのトルコリラの取引は平日であれば24時間可能です。
XM トルコリラの最大レバレッジ・必要証拠金
通貨ペア | 最大レバレッジ | 1ロットの※ | 必要証拠金
USD/TRY | 100倍 | 約13万円 |
EUR/TRY | 100倍 | 約14万円 |
※2023年3月28日現在のレートで換算しています。
トルコリラはレバレッジ規制がかけられており、最大100倍レバレッジで取引することができますが、リスクを抑えるためにレバレッジをさらに低くして取引することも可能です。
なお、トルコリラの必要証拠金は以下の計算式で求められます▼
オープン価格 × ロット ÷ レバレッジ(100倍)= 必要証拠金
XM トルコリラのスプレッド・取引手数料
通貨ペア | スタンダード口座 | マイクロ口座KIWAMI極口座 | (+取引手数料) | Zero口座
USD/TRY | 250.0 pips | 200.0 pips | 240.0 pips (+1.0 pips) |
EUR/TRY | 430.0 pips | 190.0 pips | 240.0 pips (+1.0 pips) |
トルコリラの平均スプレッドはKIWAMI極口座がもっとも狭いです。
なお、リアルタイムスプレッドはMT4・MT5・XM公式アプリから確認可能です。
XM トルコリラのスワップポイント(金利)
通貨ペア | ロング | ショート |
EUR/TRY | -788円 | 462円 |
USD/TRY | -594円 | 302円 |
※確認当時のスワップポイントです。
トルコリラのスワップポイントについて確認してみましょう。
EUR/TRYで1日の貰えるスワップの金額が1万通貨で、462円、USD/TRYは302円と非常に魅力的です。
確かに、EUR/TRY・USD/TRYの日足チャートをみますと、一方的に上昇している通貨ペアと見て取れます。
なおスプレッドが発生するタイミングは日本時間の朝6時(冬時間は朝7時)のロールオーバー時です。未決済のポジションにのみ加算され、水曜日から木曜日にかけての朝は土日分のスワップも合わせて3倍のスワップポイントが発生します。
XMで実際にトルコリラ取引を検証
2017年から2018年まで筆者が実際に、XMにてEUR/TRYをトレードした経験を基に「トルコリラが本当に稼げるのか」を調査しました。
2017年1月27日にEUR/TRYで0.5ロットをショート
筆者は2017年の1月27日、XMに証拠金ボーナスを含めて約30万円預け、その時点で史上最高値を付けた、EUR/TRY4.17232のショートポジションを0.5ロット(1Lot=10万通貨)持ちました。
ここから、暫くは反転し下落するであろうと目論んでの、ポジション取りです。目論見通りに下落が、始まりました。
2017年2月23日にEUR/TRYで0.5ロットをロング|両建て
月を跨いで、2月23日にヘッジ用にEUR/TRY3.7717にてロングポジションを0.5ロット持ちました。
この時点で30万7千円の含み益を持った態勢で上昇を待つ戦法にしました。
2017年3月28日にEUR/TRYを全決済|ロングがマイナススワップのため
しかし、 筆者はロングポジションを持つ事30日目で、マイナススワップが-10万円を超えてしまい、全ポジションを決済しました。
決済益は27万699円でした。
両建てにしていましたのでレート変動による損益は変わらず、利益は限定されていたはずです。しかし、日々、マイナススワップが大きくなっていく恐怖に怯え、それに耐えきれなくなり全決済をしました。
最初の保有ショートポジション4.17232を超えるのに、ロングポジション取得後158日間も要しています。これでは、完全に利益どころかマイナス決済になっていたでしょう。
EUR/TRYで0.1ロットをショート→下落して0.1ロットをロング→売り増し
この後、筆者はEUR/TRYが急激な上昇をする度にショートポジションを0.1ロット取得し、50pips~100pips下落したらロングポジション0.1ロット保有しました。
そこからさらに上昇を待ち、ショート保有ポジションよりも高値になれば、ロングは決済しショートは0.1ロット売り増しをしました。(ただし、前回のマイナススワップが強烈に増えることに懲りたため、保有ポジションは0.1ロットとしました。)
EUR/TRYのロングのマイナススワップ対策|デイトレに切り替え
そして、ロングポジションはマイナススワップが付かない様にデイトレード決済に変更し、動きが無くレンジが続けば1週間程度は我慢し、最悪損切決済もしました。
そんな手法でポジションを増やし損切も数回し、収支は口座残高が約87万円になり、ショートポジションは加重平均値6.1325で6万通貨となり、2018年8月10日を迎えました。
その日、午後からEUR/TRYは強烈な上昇が始まり、午後11時にバイイング・クライマックスと判断し、ロングポジションを決済しました。(その後順調に下落したため、窓開けは大きな下窓か多少の不安を抱えました。)
EUR/TRYのショートが窓開けで強制ロスカット
月曜日は上窓が強烈に空いており、筆者のポジションは強制ロスカットをされていました。
口座残高と含み益、ボーナスを足しますと100万近くの余力が在った筈でしたが、後の祭りでした。取引履歴を見ますと損益が 約-150万円でロスカットの表示が出ていました。
しかし、XMはゼロカットシステムを採用していますので、2時間後には残高0円に修正が済んでいました。
この項目のまとめとしては、始めはトルコリラは稼ぎやすいと感じ、安易な戦法で臨んでしまい、結果はロスカットです。
そのため、トルコリラは急激な変動対策をせずに持つ通貨ではない=難しい、が、本当のところかと思います。
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トルコリラ長期保有シミュレーション
前回の失敗を経験し、十二分にヘッジをさせながらトレードをしないと一瞬で全てが終わってしまうということがわかりました。
其処で先ず、リーマンショック後2009年からのデーターをエクセルに入れ、シミュレーションをしました。
まとめたところで私は、「EUR/TRY」と「USD/TRY」の相関係数の高さに着目をしました。
2009年から約10年間の「EUR/TRY」と「USD/TRY」の相関係数は0.991です。
相関係数は1に近付くほど同じ動作をしますので非常に相関性が高い事が分かります。
「EUR/TRY」と「USD/TRY」のサヤの開きも調べデーターを登録しました。
サヤ幅が広い時は「EUR/TRY」ショート・「USD/TRY」ロング同枚数でエントリーします。
サヤ幅が狭い時は「EUR/TRY」ショート・「USD/TRY」+「EUR/USD」ロング同枚数でエントリーします。
サヤ幅の平均が0.57です、現状ポジションのサヤは0.5ですので平均以下となります。
なので、今回は3通貨ペアでのエントリーになります。
※「EUR/TRY」ショートと「USD/TRY」「EUR/USD」ロングの関係はトライアングル関係になり、全ての通貨がロングとショートを同枚数所有となります。
その為、非常に変動率(ヒストリカルボラティリティ)が小さくなります。
以上のことを踏まえて、シミュレーションをしてみました。
- 証拠金は50万円
- レバレッジ800倍
- スプレッドは「EUR/TRY」と「USD/TRY」は30pips、「EUR/USD」は10pipsに設定
- 2019年9月5日終値データー(この原稿を書いている前日の終値)
- 「EUR/TRY」6.28830で2万通貨ショートポジション
- 「USD/TRY」5.7919で2万通貨ロングポジション
- 「EUR/USD」1.1148で2万通貨ロングポジション
このデーターから、過去の最大利益と最大リスクを調べました。
このシミュレーションで「EUR/TRY」ショートと「USD/TRY」と「EUR/USD」のロングを同枚数持つことで、過去データーからは513,988円の最大利益が見込め、-93,137円の最大損失のリスクが有ります。
※登録したシミュレーションデーター内には2018年のトルコリラショックも含まれます。
※もちろんロング側のマイナススワップが発生しますので、ロング側は、短期で決済を繰り返す事は変わりません。
2009年1月2日終値で「EUR/TRY」を売り続けた場合
今回収録したデータは、2009年1月2日終値~2019年9月5日終値です。
2009年1月2日終値データー「EUR/TRY」2.1466で1万通貨のショートポジションを取得し、2019年9月5日まで保有した場合。
2019年9月5日までの損益(期間:3,898日間)を出してみましょう。
- プラススワップ=462円(現在のスワップポイントで計算)
- マイナススワップ=-789円(現在のスワップポイントで計算)
- 「EUR/TRY」2.1466で1万通貨ショート(スプレッドは30pips見ています)
- レート変動最大損=-963,744円
- スワップ益=1,800,876円
- 合計損益=837,132円(スワップ益が大きい)
100万円入金してわずか1枚ですが、ショートを持ち続けただけで837,132円の収益が出せます。
注)スワップポイントは政策金利の変化により、日々変わる可能性があります。
逆に「EUR/TRY」2.1766で1万通貨のロングポジションを3,898日間保有した場合を見てみましょう。
- 「EUR/TRY」2.1766で1万通貨ロング(スプレッドは30pips見ています)
- レート変動益=936,661円
- スワップ損=-3,075,522円
- 合計損益=-2,138,861円(スワップ損が大きい)
マイナススワップの破壊力の大きさがデータとしてよく表れていると思います。
XMのトルコリラまとめ
第一次世界大戦で敗戦国となったトルコは、100年間地下資源の採掘をしないというローザンヌ条約には明文化されていない、密約がありました。期限が切れる2023年に向けて、石油の採掘調査が始まっているという情報も入ってきました。
日本と比べますと土地も広いですし、中東とも接していますので石油が沢山出そうな気もしますね。油田埋蔵量と採掘に掛かる対費用効化はどうなのでしょうか、疑問も残ります。
ただし、地下資源の採掘が成功しますと、トルコの景気が上向き、一方的に下落を続ける通貨で無くなる日も来るかも知れません。
結論としまして、現在の政策金利が続く限り、EUR/TRYはショートポジションを持てば、変動リスクよりもスワップ益が大きく収益に出来ます。今回の検証では、インカムゲインとキャピタルゲインの戦いは、インカムゲインの勝利と報告させて頂きます。
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