国内FXはどの業者も固定スプレッドを提供しています。対して、海外FXでは変動スプレッドが基本になっています。
海外FXで固定スプレッドを利用する場合、基本的にECN口座という口座タイプを選ぶ必要があります。
本記事では、固定スプレッドの海外FX業者の紹介と、固定スプレッドのメリット・デメリットをまとめています。
口座タイプを選ぶ際に、違いがよく分からないという方や固定スプレッドのメリット・デメリットについて知りたい方はぜひ本記事を参考にしてください。
固定スプレッドの海外FX業者3選
海外FXの原則固定スプレッドは、近年では徐々に減ってきています。
スプレッドが原則固定スプレッドで有名なのは下記のような業者があります。
- easymarkets
- FBS
- IFCMarkets
一つ目のeasymarketsは、全口座で固定スプレッドになっています。
それ以外は、口座タイプで固定スプレッドを選択できるという状態です。
それでは各業者を見ていきましょう。
easymarkets
easymarketsは、全ての口座タイプで固定スプレッドを採用している珍しい海外FX業者です。easymarketsは固定スプレッドでありながら、取引手数料がなしです。
ただしスプレッド自体は広めで、特にポンド円はかなり広くなっています。
取引銘柄が多くて、貴金属・商品・株価指数の他に仮想通貨も取引できます。
また、マイナーな銘柄も多く扱っています。
自動売買・EAの利用ができるので、安定したスプレッドで自動売買をしたい方におすすめです。
FBS
FBSは5つの口座タイプのうち、マイクロ口座とゼロスプレッド口座が固定スプレッドになっています。
FBSの魅力はゼロスプレッド口座で、スプレッドが0にできる点、注文数量が最大500Lotと大きいこと、最大レバレッジ3,000倍と高いことなどが挙げられます。
ゼロスプレッド口座の場合、最低入金額が5万円以上と少しだけ高くなっていますが、取引条件などは優秀です。
固定スプレッドに気になっている方には、特におすすめできます。
IFC Markets
IFC Marketsは、口座タイプの取引ツールによってスプレッドが変わります。
ほかに大きな特徴は、最小取引単位が小さいこと、利息ボーナスがです。
最小の取引単位は100通貨と非常に小さく、資金の少ない方がコツコツとトレードしていきたいという場合におすすめです。
多くの海外FX業者は、1,000通貨が最小になっているので、かなり小さいです。
その他に、MT4・MT5だけでなく『NetTradeX』という取引ツールが利用できます。
NetTradeXは最大10のチャートを同時に見れることや同時決済ができるメリットがあります。
また、口座資金に最大で年利7%の利息ボーナスが付与されます。
利息ボーナスは、かなり珍しいです。
IFC Marketsは、他社にない独自の強みを展開してきています。
気になっている方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
海外FXで固定スプレッドのメリットは3つ
固定スプレッドの口座タイプを選択するメリットは下記のとおりです。
- スプレッドが狭く安定している
- 取引コストが小さい
- 取引回数が増えるほど、差が大きくなる
スプレッドが狭く安定している
固定スプレッドは、やはりスプレッドが固定されているので、安定しているというメリットがあります。
変動スプレッドでは、『いまこのタイミングで注文したい』と思っても、スプレッドが開いていて不利なトレードになることがあります。
そんなタイミングでも固定スプレッドでは、普段と変わらずトレードができます。
つまり、固定スプレッドの方が取引チャンスが多くなりやすいということです。
ただし固定スプレッドは、原則固定という表現が使われます。
価格が急変動するようなタイミングでは、スプレッドが開くことがあります。
- 経済指標発表時
- 大きな出来事やショックが起きたとき
このような時などは、スプレッドが開くことがあることを理解しておきましょう。
ただ、万が一スプレッドが開いたとしても変動スプレッドよりも開きは小さく有利なトレードができます。
取引コストが小さい
海外FXで固定スプレッドになっている口座タイプでは、基本的には取引手数料が掛かります。
これはスプレッドとは別にかかるもので、注文が約定すると必ず手数料が発生します。
しかし固定スプレッドと取引手数料を合わせても、変動スプレッドの取引コストより小さくなるので有利です。
実際に取引コストがどのように変わるか計算してみます。
固定スプレッドでは、スプレッド0.6pipsで取引手数料が1Lotにつき4ドル。
変動スプレッドでは、スプレッド1.8pipsだったとします。
取引数量が1Lot(10万通貨)だった場合
スプレッドの種類 | スプレッド損失 | 取引手数料 | 取引コスト |
固定スプレッド | 0.6pips→約600円 | 4ドル(約440円) | 約1,040円 |
変動スプレッド | 1.8pips→約1,800円 | なし | 約1,800円 |
このように、取引コストは固定スプレッドの方が優れています。
さらに、この取引コストの差は取引数量が大きくなるほど、差も大きくなります。
つまり資金が多い上級者トレーダーは、1回あたりの取引数量が多くなるので、圧倒的に固定スプレッドの方がお得というわけです。
取引回数が増えるほど、コストの差が大きくなる
スキャルピングをするときに、スプレッドが小さい方がいいと言われる理由でもあります。
固定スプレッドは取引数量だけでなく、取引回数も増えるほど変動スプレッドよりもお得になります。
例えば、固定スプレッドで1日10回トレードする人と、変動スプレッドで1日10回トレードする人がいる場合で考えましょう。
取引条件は先ほどと同じとします。
1ヶ月間毎日1Lotを10回トレード(約20日)した場合
取引1回あたりの 取引コスト | 1日あたり (取引10回)の 取引コスト | 1ヶ月あたり (約20日)の 取引コスト | |
固定スプレッド | 約1,040円 | 約10,400円 | 約208,000円 |
変動スプレッド | 約1,800円 | 約18,000円 | 約360,000円 |
このように取引回数が増えるほど、固定スプレッドの強みが大きくなっていきます。
見てわかるように、かなり大きな差になってきます。
そのためスキャルピングのような超短期トレードを頻繁にする方は、固定スプレッドの方が長期的におすすめです。
海外FXで固定スプレッドのデメリットは4つ
固定スプレッドはメリットばかりのように思いますが、デメリットもあります。
それがこちらです。
- スプレッドが開くこともある
- 最大レバレッジが下がる
- ボーナスの対象外になる
- 自動売買が禁止の業者もある
スプレッドが開くこともある
メリットの部分でも少しふれましたが、固定スプレッドでも状況によってスプレッドが開くことがあります。
どんな条件下でも絶対に固定されたスプレッドという意味ではないので、注意が必要です。
歴史に名を残すようなショック時や、経済指標が発表されるようなときは価格の急変動、注文の偏りなどで相場が不安定になります。
そいういうときは注意するようにしましょう。
最大レバレッジが下がる
固定スプレッドの口座、すなわちECN口座はスタンダード口座に比べて最大レバレッジが下がってしまいます。
最大レバレッジが下がると、同じ取引数量でも、より多くの証拠金が必要になります。
そのため、資金が少ないと大変になってきます。少額から資金を増やしたいという方には、あまり向いていません。
ボーナスの対象外になる
固定スプレッドはECN口座です。
多くのFX業者では、スタンダード口座のみがボーナス対象になっているため、固定スプレッドを選択するとボーナスの恩恵を受けることができません。
資金が少ない方、FX初心者にとってボーナスがあることは重要なポイントです。
ボーナスを活用できないのは、大きな欠点です。
ただし、もともとボーナスがない業者であればECN口座でも気にせず利用できると思います。
自動売買が禁止の業者もある
ECN口座の場合、自動売買が禁止されている業者もあります。
これはOKの業者もあるので、必ずどちらか確認してください。
もし規約違反などをしてしまったら、口座凍結や出金停止などの措置がとられてしまう可能性があります。
固定スプレッドの海外FX業者はメリットを活用出来る方向け
海外FXの固定スプレッドは、メリットだけでなくデメリットもあります。
メリット・デメリットを再度まとめました。
メリットがこちら。
- スプレッドが狭く安定している
- 取引コストが小さい
- 取引回数が増えるほど、差が大きくなる
デメリットがこちら。
- スプレッドが開くこともある
- 最大レバレッジが下がる
- ボーナスの対象外になる
- 最低入金額が高くなる
- 自動売買が禁止の業者もある
特に大きな欠点として、最大レバレッジが下がってしまうこと、ボーナスの対象外になってしまう点があります。
取引コストは固定スプレッドの方が小さくなりますが、それ以外の取引条件はスタンダード口座の変動スプレッドの方が優れいている場合が多いです。
そのため固定スプレッドを使用するのは、裁量トレードで既にある程度の結果を出している方がおすすめです。
メリット・デメリットを理解しつつ、使ってみたいと思った方はぜひ固定スプレッドの口座タイプがある海外FX業者を利用してみてください。