- Exnessの両建てルールがわかる
- Exnessで両建てするときは要注意
- Exnessで両建てするメリットがすごい
「Exnessは両建て取引の手法が可能?」
「Exnessで両建てするメリット・デメリットは?」
そのような疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
両建て取引を禁止している海外FX業者が多い中、Exnessは取引手法の一つとして両建てを認めています。とはいっても、Exnessで両建て取引をするメリットやデメリットについて、あまり知られていないかもしれません。
本記事では取引手法としての両建ての意味、Exnessで両建て取引をすることのメリット・デメリット、Exnessで取引する際の注意点について解説します。
Exnessは両建て取引を禁止していない
Exnessは両建て取引を公認している珍しい海外FX業者です。
Exnessの両建てルール
- 同一口座での両建て
- 他口座との両建て
- 他業者との両建て(注意点はあとで後半で解説)
同一口座内での両建てはもちろん、Exness内の別口座との両建てや、他業者間との両建ても認めています。
しかし他業者間との両建てを認めている海外FX業者は稀で、Exnessと他業者間で両建てをするなら、同じく両建てを認めている海外FX業者でなければなりません。
他業者間との両建てを認めている海外FX業者はAXIORYやTradeviewが挙げられます。他業者間との両建てをするならこれらの海外FX業者を開設しましょう。
他業者間との両建て | |
Exness | ◯ |
AXIORY | ◯ |
Tradeview | ◯ |
XMTrading | ✕ |
TitanFX | ✕ |
BigBoss | ✕ |
is6FX | ✕ |
Exnessの両建て取引はどんな手法なのか
そもそも両建て取引とは、同じ通貨ペアの売りポジションと買いポジションを同時にもつことです。両建てでポジションを持つと相場が上がっても下がっても利益と損失が相殺されるため、含み損も含み益も発生しません。
両建て取引をExnessで行うメリット
両建て取引をするとトレーダーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。Exnessで両建て取引をする2つのメリットを紹介します。
リスクヘッジができる
FX取引において、何らかの理由で相場が急変することは珍しくありません。急変の理由として考えられるのは以下の点です。
- 各国の中央銀行による為替介入
- 政府要人の発言
- 経済指標の発表
- 紛争・戦争など突発的な出来事の発生
こうした要素を完全に予測するのは困難です。2019年初頭のフラッシュ・クラッシュでは一気に4円も相場が動きました。ブレグジットが起きたときもわずか数十秒の間に9%もポンドが下落しました。
両建てをしていれば、どちらかのポジションで損失を被ってももう一つのポジションで損失を補えます。こうしたリスクヘッジができるのは両建て取引ができるExnessならではの強みといってよいでしょう。
アービトラージができる
Exnessでは両建てによるスワップポイントのアービトラージが可能です。A通貨とB通貨のペアがあるとき、買いポジションのスワップポイントが+10で売りポジションが-7だったとします。
故意ポジションだけを保有していれば、ポジションを持っているだけで日々+10のスワップポイントが入ります。しかし、相場が急変して買いポジションがロスカットされてしまうと含み損が一気に大きくなり、積み上げたスワップポイントや証拠金そのものを失ってしまう可能性があります。
両建てで保有していると、買いポジションで+10、売りポジションで-7となり差し引き+3のスワップポイントが得られます。買いポジションのみの保有より得られるポイントが少なくなりますが、相場急変時のリスクヘッジとなるため証拠金を失うリスクを減らせます。
スワップフリー口座を利用できる
スワップフリーとは
スワップフリーとは、スワップポイントが付かない口座のことです。スワップポイントは2つの通貨の金利差によって決まります。低金利通貨で高金利通貨の「買いポジション」を保有するとプラスのスワップポイントが、「売りポジション」を保有するとマイナスのスワップポイントが付きます。
両建てによるアービトラージは買いと売りのポジションのスワップポイントを差し引きした際のプラスのポイントを得る取引ですが、両建てしてもスワップポイントがマイナスである場合も少なくありません。そうなると両建てでポジションを維持している限り、損失が出続けます。
そうした事態を避けられるのがスワップフリー口座です。この口座はプラスであってもマイナスであっても一切のスワップポイントが付きません。
Exnessのスワップフリー銘柄
Exnessのスワップフリー口座はイスラム圏の方向けのイスラム口座や非イスラム圏の方向けにFX業者が用意した口座の2つに区分できます。イスラム口座が存在する理由は、イスラム教の教えで利子のやり取りが禁じられているからです。
イスラム口座以外のスワップフリー口座では優待スワップフリーを設けています。特定の通貨や資産を取引する際にスワップフリーにすることができます。対象となっている通貨ペアや資産は以下のとおりです。
メジャー通貨 | AUDUSD、EURUSD、GBPUSD、NZDUSD、USDCAD、USDCHF、USDJPY 、USDTHB |
マイナー通貨 | AUDNZD、EURCHF、GBPJPY、AUDCHF、AUDJPY、EURAUD、EURCAD、EURGBP、EURJPY、EURNZD、GBPCHF、GBPNZD、NZDJPY、NZDCAD |
貴金属 | XAUUSD |
仮想通貨 | 全ての仮想通貨 |
上記の資産は両建てのスワップポイントがマイナスになったとしても支払う必要がないため、長期にわたってポジションを維持できます。相場の変動だけを見て売買タイミングを決められるのがExnessのスワップフリー口座を利用する利点といえます。
Exnessで両建て取引をするデメリット
両建て取引はリスクヘッジやアービトラージができる点、スワップフリーを利用できる点などがExnessで取引する大きなメリットです。しかし、無視できないデメリットが2つあります。詳細を見てみましょう。
2倍の取引コストが必要
1つ目のデメリットは2倍の取引コストが必要となる点です。ポジションを保有すると、その分だけ証拠金が必要となります。両建てすれば買いと売りの2つのポジションを同時に保有することになるため、証拠金が2倍必要となります。また、取引手数料やスプレッドも取引する都度かかるためこちらも2倍のコストとなります。
ただ、Exnessの場合は2倍ものコストは必要ありません。証拠金については同一口座内であれば相殺できますし、取引コストは無料であるため考慮する必要がありません。スプレッドについても業界水準を下回る低コストであるため、最低限のコスト負担で済みます。
損失を拡大させる恐れがある
両建て取引は決済するタイミングによっては損失を拡大する要因となります。両建てをしている通貨ペアが下落トレンドだと判断して買いポジションを損切りした後で相場が反転するともう一つのポジションでも損失を出してしまいます。
中長期の保有であっても、スワップポイントが変動して両方のポジションを合わせてもマイナスとなり、損失を出し続ける両建てになる可能性もあります。損失はリスクヘッジの手段として極めて有効ですが、決済タイミング次第ではかえって損失拡大を招くハイリスクな取引手法でもあるため注意が必要です。
スワップで損失が出る可能性がある
スワップポイント次第では両建てでポジションを持っているだけでスワップポイント分の損失を出し続けるため売り買いともにマイナススワップの銘柄を両建てするなら注意が必要です。
1ドル=100円の時に買いポジションと売りポジションの両方を持っていた場合、1ドルが102円になった時に買いポジションを決済すれば2円分の利益が出ます。
しかし、売りポジションを同時に決済すると2円の損失が確定してしまいます。そうならないよう、1ドルが102円以下になったタイミングで決済すれば、買いと売りの差額分を利益にできます。
Exnessで両建て取引をする際の注意点
Exnessで両建て取引をする際、2つの点に注意が必要です。それぞれの注意点の内容を見てみましょう。
他社の両建て禁止ルールに抵触する恐れがある
両建てには1つのFX業者内の口座で行うケースと、他のFX業者の口座も使って両建てするケースがあります。FX業者ごとで取引ルールが異なるため、他のFX業者では両建てが禁じられている場合があります。両建てルールに違反するとどのようなペナルティが発生するのでしょうか。主なペナルティは以下のとおりです。
- 利益の没収
- 出金拒否
- 口座凍結
- ボーナスの没収
- 損失の自己負担
利益の没収とは両建て取引で得た利益を不正とみなされ没収されてしまうことです。不正とみなされると出金を拒否されたり、口座のアクセスを拒否されたりといったペナルティが課せられることもあります。
また、ボーナスを付与している業者であれば、付与したボーナスを没収するペナルティもあり得ます。さらに、ゼロカットシステムの悪用とみなされると損失を自己負担するよう求められる可能性もあります。
Exnessで許可されていても、もう一つの業者で禁じられている可能性が十分あるため、両建てをするならExnessの口座内で行うようにしましょう。
証拠金の相殺は同一口座内の両建てに限る
先ほど、Exnessの両建ては証拠金が相殺されるため証拠金が2倍かかるわけではないと説明しました。しかし、それには同一口座内の両建てに限るという条件が付きます。また、両建て取引で買いポジションと売りポジションに差がある場合、差分の証拠金が必要です。
買い注文 | 売り注文 | 必要証拠金額 |
---|---|---|
1ロット | 1ロット | 0 |
1ロット | 2ロット | 1ロット分 |
2ロット | 1ロット | 1ロット分 |
5ロット | 1ロット | 4ロット分 |
3ロット | 3ロット | 0 |
保有数の多いロットから少ないロットを差し引いた残りを維持するための証拠金が必要となります。
まとめ
今回はExnessの両建て取引や両建てのメリット・デメリット、Exnessで取引する際の注意点、スワップフリーなどについて解説してきました。両建て取引を禁止する海外FX業者が多い中、Exnessは両建てを容認している数少ない事業者です。
両建て取引を行うとリスクヘッジやスワップポイントの差額分を利益にできるアービトラージ等を活用できるため、取引のリスクを減らすことができます。スワップフリーについてもExnessならではのメリットであり、両建てをする上で大いに役立ちます。
しかし、両建ては決して簡単な取引ではないため、ある程度、取引に慣れてから行わなければかえって大きな損失を被るかもしれません。
他の業者も利用しているのであれば、その業者のルールや禁止事項をしっかり確認し、ペナルティを受けないよう慎重に取引する必要があります。